どんな時に家が傾くのか?
家が傾く理由は、大きく分けて3つのパターンがあります。
1 地盤が不均一な場合(地盤のアンバランス)
2 家の荷重や構造に問題がある場合(建物のアンバランス)
3 液状化
実際の例をみていきましょう。
地盤のアンバランス
切土・盛土
全国で最も多く発生している建物の不同沈下事故が、
斜面地を平らにする時におこなわれる盛土・切土の影響によるものです。
斜面の高いほうの土を削り、切り出した土を低いほうに盛って造成します。
高いほうの地盤は硬く、低いほうの盛った地盤は柔らかいため、
地盤のバランスは崩れてしまいます。
(ワンポイント:このような造成地は
擁壁(ようへき)と呼ばれる壁で覆われているため、
見た目ですぐに分かります)
かつて敷地内に、井戸や浄化槽、地下室があった
井戸や浄化槽、地下室が敷地にあった場合、
局地的に地盤が緩んでいます。
埋め戻した土は、そのままではいつまで経っても安定しません。
地中に空洞がある、またはあった場合、事前にご相談下さい。
(井戸などがあった場所を重点的に調査をおこなうことで、
地盤の状態をより正確に把握できます)
瓦礫などが埋められた地盤
瓦礫などのコンクリートを使って、
柔らかい地盤を補強している例がみられます。
「硬そうだから」と安心するのは大間違い。
こうした地盤では、雨がふる度に瓦礫の隙間に水が浸入し、
雨水と一緒に土が落ちてしまいます。
その結果、地表面が凸凹になってしまい、
家屋に深刻な影響を与える例も数多く報告されています。
地下車庫がある場合
家屋の一部が地下車庫の上に載っている場合も、
地盤アンバランスが起こってしまいます。
車庫のコンクリートと、もう片方の地盤は
同じように沈下しないため、
基礎の境目に亀裂が入ることがあります。
建物のアンバランス
細長い家
細長い建物は、荷重の負担が真ん中にかかり、
基礎や建物がV字型に折れてしまうケースも少なくありません。
建物バランスだけで考えるならば、
短い面と長い面の寸法が1:2以上の比率、
例えば7mと15mになったら要注意です。
重さに偏りのある家
硬い地盤の上であれば、問題は何もありません。
しかし、軟らかい地盤の場合、
部分二階建て(例えば2階と1階が混在した建物)は、
バランスの悪い家といえます。
水槽やピアノなど、重いものがある家
水槽やピアノなど、特に重いものを建物の中に配置する場合、
あらかじめ基礎を補強しておきましょう。
液状化
水と砂が混じった地盤
砂と水が混じった地盤で地震が起きると、
液状化が発生します。
例えば東日本大震災の際にも、
海岸付近や埋立地などでは液状化を起こした例が報告されています。
このような地域では、
液状化に対応した地盤対策をおこなう必要があります。
このように、不同沈下は、地盤のアンバランスや建物のアンバランス、
あるいは液状化によって起きるのです。